「今月もコラムを更新しないと」。そう思いながら、気づけば月末になっている——
中小企業のWeb担当者や広報担当者から、よくうかがうお悩みです。この記事では、生成AIでコラムを書く方法を、当社が社内で実際に回している10ステップの手順としてご紹介します。生成AIを触ったことがない方でも、そのまま真似していただける内容です。
書くこと自体が嫌いなわけではないのに、更新だけが止まってしまう。その原因は、文章力ではなく工程の多さにあります。まずはそこから見ていきます。
なぜコラムの更新は後回しになるのか
コラム制作を分解してみると、性質の違う作業が10近く混ざっていることがわかります。テーマを決める。構成を考える。本文を書く。自社の事例を足す。タイトルを考える。検索結果に表示される紹介文(メタディスクリプション)を用意する。記事の先頭に置く画像(アイキャッチ画像)を作る。公開後にSNSやメルマガで告知する。
一つひとつは、それほど重い作業ではありません。それでも負担に感じるのは、これらを「執筆」というひとかたまりの仕事として捉えているからです。ひとかたまりに見えると、着手するのに数時間の空き時間が必要に思えてしまい、結果として手がつかなくなります。
生成AIでコラムを作成するときの、最初のコツはここにあります。
全部まとめて書かせようとせず、工程に分けて一つずつ頼むこと。それだけで、AIに任せられる部分が一気に増えます。
生成AIでコラムを作成する10ステップ
当社が社内で使っている手順が、次の10ステップです。特別なツールは使っていません。ChatGPTのような対話型の生成AIが1つあれば足ります。
| STEP | やること | ひとことメモ |
|---|---|---|
| 01 | コラムのテーマや資料を共有する | 手元の企画メモや過去記事を、そのまま渡す |
| 02 | 構成案を作成する | いきなり本文ではなく、まず見出しの案から |
| 03 | 本文を生成する | 構成案にOKを出してから書かせる |
| 04 | 自社事例や具体的な数字を追加する | ここは人の手で。記事の価値が決まる工程 |
| 05 | 気になる部分を部分的に修正する | 気になった箇所だけを指摘して直させる |
| 06 | 全文を再生成する | 部分修正を反映させ、通しで整える |
| 07 | タイトル・ディスクリプションを作成する | 検索結果に出る紹介文も、ここで一緒に |
| 08 | HTML形式に変換する | CMSに貼るだけの状態にする |
| 09 | アイキャッチ画像を作成する | 記事の顔になる画像もAIで用意できる |
| 10 | メルマガやSNSで記事へ誘導する | 公開して終わりにせず、読まれる導線まで |
最初から10ステップすべてをやろうとしなくて構いません。まずはステップ1から4まで、つまり「テーマを渡して、構成案をもらい、本文を書かせ、自社の話を足す」ところまでで、記事は一本仕上がります。慣れてきたら、後半の仕上げ工程を足していくのがおすすめです。
記事の質を決めるのはステップ4|自社の事例と数字を必ず足す
生成AIが書く文章は、そのままでも整っています。ただし整っているだけで、「どこかで読んだことのある一般論」になりがちです。読者が本当に知りたいのは、その先の「で、あなたの会社ではどうだったのか」という部分です。
だから当社では、この工程だけは必ず人の手を入れています。一般的な解説で終わらせず、自社の経験・実例・数値を必ず追加させる。信頼される記事になるかどうかは、ここで決まります。
難しく考える必要はありません。「以前このお客様でこういうことがあった」「作業時間が半分になった」といった、社内では当たり前になっている話を一つ足すだけで、記事の説得力は大きく変わります。素材を出すのは人、文章として整えるのはAI。この役割分担が、いちばん現実的です。
検索で読まれるかどうかという観点でも、この工程が分かれ目になります。一次情報のない記事は、同じテーマの他社記事に埋もれてしまいます。自社にしか書けない実例こそが、差になります。
毎月続けるための「連載」設計|テーマを分けて運用する
書き続けるうえで効いているのが、テーマをあらかじめ分けておくことです。当社ではWeb系・Webマーケティング系・デジタルマーケティング系・システム系の4つに分け、それぞれを別のプロジェクトとして運用しています。AIとのやり取りもテーマごとに分かれているため、過去のやり取りの文脈が引き継がれ、回を重ねるほど自社らしい文章に近づきます。連載として設計しておけば、毎月ゼロから「何を書こう」と悩む必要もなくなります。
もうひとつの工夫が、読み手を変えた版を作ることです。同じ題材でも、経営者向けとWeb担当者向けでは、知りたいことも響く言葉も違います。一本仕上げたあとに「これを経営者向けに書き直して」と頼めば、それがもう一本になります。
はじめて生成AIでコラムを書くときのコツと注意点
一度で完成させようとしない
最初の出力が思った内容でなくても、失敗ではありません。「もう少し具体例を増やして」「この段落は短くして」と会話を往復させながら、欲しい形に近づけていきます。
手元の資料を渡す
企画メモ、過去の記事、お客様に説明したときの資料。実際のファイルを渡すと文脈が伝わり、出力の中身も体裁も一気に自社寄りになります。
出力の形を先に決める
「見出しは3つ」「1,500字程度」「です・ます調」のように、先にルールを伝えておくと、誰が担当しても同じ品質の記事が出てきます。
公開前に、必ず事実確認をする
生成AIは、事実と異なる内容をもっともらしく書いてしまうことがあります。数字、社名、製品名、制度の名称は、公開前に必ず一次情報で確認してください。あわせて、社外に出せない情報はAIに入力しないという社内ルールも、使い始める前に決めておくと安心です。
よくある質問
AIで書いた記事は、検索で評価されないのでは?
Googleは、AIを使ったかどうかではなく、その記事が読者にとって役に立つかどうかを重視する方針を示しています。問題になるのは、検索順位のためだけに量産された中身のない記事です。ステップ4で自社の実例と数字を入れておけば、AIを使ったこと自体が不利に働くことはありません。
どの生成AIを使えばいいですか?
対話型の生成AIであれば、進め方は同じです。当社ではChatGPTを使っていますが、まずは手元で使えるものから始めて構いません。ツール選びよりも、工程を分けて一つずつ頼むという進め方のほうが、結果を大きく左右します。
1本あたり、どのくらいの時間がかかりますか?
構成案から本文までは、対話を数回往復させれば形になります。時間がかかるのはステップ4の自社事例を足す工程ですが、ここは人が価値を足す部分なので、削らないことをおすすめします。
アイキャッチ画像もAIで作れますか?
作れます。当社では骨子から本文、タイトル、メタディスクリプション、アイキャッチ画像までを一つの流れで完結させています。
まとめ|AIに書かせるのではなく、AIと分担する
生成AIでコラムを作成すると聞くと、「AIに書かせた記事」を想像されるかもしれません。実際にやっていることは、少し違います。骨子を組み、下書きを起こし、体裁を整える。その手間のかかる部分をAIに任せ、人は「何を伝えるか」と「自社ならではの中身」に集中する。役割を分けた結果として、毎月続けられる形になりました。
まずは、次の1本から試してみてください。テーマと手元の資料を渡して、「構成案を作ってください」と頼む。そこがスタート地点です。